Mirlard!(ミルラード) 第11話 教皇への使節派遣 その2

翌朝、ロア、ベルナルド、レオン、フォルミルスは、コンサルヴィ枢機卿

ともに教皇庁に行った。そこでアレッサンドロ枢機卿の導きで

教皇インノケンティウス15世に謁見した。

「昨日は、あのならず者たちと戦ったそうだな。いやあ、我々もあの連中には

手を焼いていて困っていた所だ。逮捕に協力してくれて、そして

コンサルヴィ枢機卿を守ってくれたことに感謝するよ。」

「いえいえ、あれぐらいは喧嘩ですので。」

「そうか、喧嘩か。これはこれは。」

そこでレオンは答える。

「あれぐらい日常茶飯事だよな。」

「そうなのか。日常茶飯事なのか。さすが剣士だな。ベルナルド、そなたは

良い剣士や戦士を育てているのだな。」

「はい、このレオンは、こちらのフォルミルスの警護のために養子に

したものです。昨日の戦いもよくフォルミルスを守りながら戦ってくれた

ものだよ。」

「おお、それは頼もしいものだ。」

教皇は、その強さに感心しきりだった。

教皇様、この度はわが国王メルティフェクス7世と前国王ニーズロット6世

からの手紙をお持ちしました。是非、お目を通していただきたく思います。」

「うむ、ご苦労であった。」

そうして、教皇は、2人の手紙に目を通した。そこには、教皇庁に支援を

すること、マグニス教とプロテクス教との融和を図っていくこと、

今度の支援と貿易へのお願いが書かれていた。それを読んで教皇は、

「うむ、分かった。これからもミルラードとは良き交流をしていきたいと思う。

私からもまた返書を書くことにしよう。」

「ありがとうございます。」

コンサルヴィ枢機卿もまた、

「これからもわが国、ミルラードをよろしくお願いします。」

「うむ、分かった。」

さらに、教皇は話を続ける。

「ところで、そなたたちの強さを見込んで頼みがある。」

「はい、何でしょうか。」

「ヴェルサージュ王国に行ってもらえないだろうか。そして、国王

ベルナール9世と宰相のマザラン枢機卿に手紙を渡してきてもらえない

だろうか。」

「はい、分かりました。必ずお渡しいたします。」

「気をつけて行って来てくれ。あの国は、マグニス教とプロテクス教との

争いが絶えない国でな、何とか融和を図ってくれるよう願っている。

そのために行ってきてくれ。」

そうして、ベルナルドとフォルミルスは教皇領に残り、ロアたちは

ヴェルサージュ王国に行くことになった。

ヴェルサージュ王国は、教皇領から一晩かけて行ける距離にある島国で

華やかな文化の栄える場所であった。だが、マグニス教とプロテクス教との

争いが絶えない国で常に一触即発の状態であった。

そして、ロアたちは、首都ボルドールに到着し、ヴェルサージュ国王、

ベルナール9世に謁見し、国王と宰相のマザラン枢機卿教皇の手紙を渡した。

教皇の手紙には、マグニス教とプロテクス教と融和を図るよう、国王と宰相が

手を携えて行うようにという指示が書かれていた。

これに対し、ベルナール9世は、

「うむ、よく分かった。マグニス教とプロテクス教と融和を図るよう、

これからも努力していこうと思う。今、マグニス教の信者である私の妹の

カトリーヌとプロテクス教の首領であるコリニー総督との婚宴を企画している

所だ。これが叶えば、少しは融和が図れるだろう。このように教皇

伝えてくれ。」

「はい、分かりました。」

こうして謁見が終了するとロアたちは、ボルドールの町の宿屋で

泊まることにした。

翌日、あたりが騒がしかったので、ロアは眠い目をこすりながら窓を開けて

見てみると、ロアは思わず目を疑った。町の至る所で殺し合いが行われ、

あたり一面血の海に変わっていた。

「な、何だこれは…。」

ロアは思わずたじろいだ。そして、急いで着替えてフィムやレオン、

ローランとペティオスと廊下で集まった。何事かと話し合っていたら

国王の侍従がロアたちの元に急いでやって来て、ことの次第を伝えた。

「どうかお逃げください!!マグニス教の信者たちがプロテクス教の信者を

虐殺しているようです!!どうやらマザラン枢機卿が仕掛けたようで、

最初はコリニー総督やプロテクス教の信者の貴族たちを殺すために

刺客を放ったようですが、それが市民にも波及して、もう軍隊や警察だけでは

止められない状況になっています!!」

「なんだって!!」

ボルドールの町は恐ろしい地獄絵図と化していた。コリニー総督は、

寝ている所を襲われ、腹を刺されてまだ息があるうちに2階の窓から

突き落とされ、町中を引きずり回された。そして、他のプロテクス教の信者の

貴族たちも剣やナイフで刺され、内臓を引きずり出されたり、

窓から突き落とされたりした。それが市民にも波及し、マグニス教の

信者たちがプロテクス教の信者をめった刺しにしたり、手足を切断して

町中を引きずり回したり、さらには内臓を引きずり出されたり、

赤子は川にたくさん投げ捨てられたりした。そして、川は地で赤く染まって

いた。この状況を知ったレオンは、

「これは止めないといけないのではないか?」

「いや、これはもうどうしようもない。逃げるしかないよ。教皇領まで

逃げよう。」

そうフィムは諭した。

「そうだな、みんな、逃げよう。」

そうして、ロアたちはボルドールの町から逃げたのだが、街を出ようとした

瞬間、マグニス教の信者たちに襲われた。

「まだいたぞ!!そこだーーー!!」

「いやまて、俺たちはマグニスだ!!」

「問答無用!!かかれーーーーー!!」

レオンは、ロアに尋ねた。

「やれやれだ。どうする??」

「市民は殺したくなかったが、仕方ない、やるか。」

そうしてロアたちは、市民と戦った。何人も何人も切り倒すが、多勢に無勢。

きりがなかった。

「だめだ、こんなのきりがない…。」

そう思いながら戦い続け、みんな傷ついていた。

「このままではみんなやられる…。」

そう思ったフィムは、周りに爆発の魔法を何発も放った。時には市民を

吹き飛ばしながら、連発で魔法を放った。そうして、あたりは煙に包まれ、

市民はようやくひるんで手を止めてしまった。

「今だ!!逃げるぞ!!」

こうして、フィムの魔法と、ペティオスの石化光線のおかげでなんとか

ロアたちは教皇領に逃げ帰ることができた。

その3に続く