幸せになる方法98

さてと、最後の大仕事片付けちゃいますか

襟元を正し、重役たちの待ち構える会議室へと向かう。

最初は俺に嫌悪感を抱いていた人達も、今じゃ笑顔で迎えいれてくれる。

それが素直に嬉しい。

ーコンコン

扉が開かれ、車椅子に乗った親父とその車椅子を押す綾乃が登場。

小さく息を吐き、覚悟を決める。

トン

そっと背中に置かれた手の主を振り返ると、優しい笑みを浮かべていた。

大丈夫。

コクリと頷き、会議は始まった。

親父を社長の座から引きずり降ろすための社長の解任を要求する会議が。

なっ、何を言っているんだ?そんなもの誰も賛成する奴なんかいないよ。私の会社なんだっ。

取り乱す親父に一瞬怯んだように見えた重役たちも、恐る恐る手をあげる。

お、おいっ!貴様!どういうつもりだ

手をあげる一人一人に向かって声を荒げる親父だったが、全員一致で要求は通り晴れて俺が社長になった。

和也ぃ。お前は何を考えているんだっ!お前にはまだ早い!

親父が俺に言ったんだろ?金も権力もない奴に何が守れんのかって。

っ!

だから、俺は金も権力も手に入れただけだよ。どっちも興味はないけど、守りたいもののためには手段を選ばない

くっ、くそー。

親父は悔しそうに膝を叩きながら取り乱す。

そして、綾乃に向き合う。

綾乃悪いけど、お前との婚約も破棄する。俺はお前とは結婚出来ない

どうして私はずっと和ちゃんのこと

俺には、桃子しかいらないから

そんな

綾乃はへなへなとその場に座り込んだ。

2人の姿を見て、俺も力が抜けるのを感じた。

会議は終わり、会議室には俺と智にぃの2人きりだった。

よくやったな。おめでとう。社長笑

ふふ、やめてよ智にぃ。智にぃが居てくれたから、頑張れたんだよ

そう、1人じゃ何も出来なかった。

智にぃも、周りの人達もみんなが助けてくれたから出来たこと。

俺1人の力なんて、無いも同然だ。

俺にも、お前くらいの覚悟と、強さがあれば手放さずにすんだのかなぁ

智にぃにもいた。

守りたい人。

だけど、親父が智にぃを会社へ引き込むために別れさせたらしい。

それでも、こっそり付き合いを続けていたある日。

彼女が突然泣き始めた。

もう限界だよ。別れよ

智にぃが気づかないところで、彼女が離れるように嫌がらせのような事は続いていたらしく、心配かけないように1人抱え込んでしまった彼女は壊れかけていた。

智にぃは自分を責め、彼女を手放すことになったという。

ははっ、昔の話だな。さぁ、後のことは俺に任せて、お前の大事なもん迎えに行ってこいよ

ふふ、ありがと。そうさせてもらうよ

これから、桃子を迎えに行く。

もう二度と離れないように

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